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36mm径の4代目、旧型エクスプローラーはこんなところが魅力|【ロレックス】通信 No.129

一昨日(1月14日)に更新された当サイトの「主要11モデル週刊ロレックス相場」を見て驚いたというか、商品が無いとはいえさすがに呆れてしまった。そのなかでエクスプローラーだけは、昨年のダウンサイズ化によって大柄な欧米人に人気がなくなったためなのかはわからないが、120万円台でほとんど値動きがない。そこで今回はこのエクスプローラーについて注目してみたい。ただ現行は一度取り上げているため、同じ36mm径時代の旧型の中から第4代目(現行よりも三つ前)となるRef.14270を見ていきたい。

Ref.14270は1990年(89年とも)から2000年まで販売された、すでに20年以上も前のモデルとなる。よくエクスプローラーの日本でのエピソードとして、98年に大ヒットを飛ばした木村拓哉氏主演のドラマで、彼が着けたことから人気に火がついたという話題がよく取り上げられるが、その時のモデルがこのRef.14270である。

その反響はすさまじく、店頭が品薄状態に陥り、当時並行市場で30万円前半だった実勢価格が60万円前後にまで跳ね上がったほどだ(当時はこれでも異常だった)。つまり、90年代後半から2000年初頭にかけて、時計ブームが盛り上がるなかロレックスの存在と魅力を日本人に広く知らしめ、その後のロレックス人気に拍車をかけたのは、実はエクスプローラーだったという見方もできるのかもしれない。

搭載するムーヴメントはCal.3000。平ヒゲゼンマイを採用する最後のムーヴメントで、20年前とはいえ現在の最新型からすると作りや性能面では古さを感じさせるが、カレンダー機構もないとてもシンプルな設計のため、とにかく不具合が少ない機械である。

現在の実勢価格はバーインデックス部分の夜光がトリチウムかどうかで若干変わってくるようだ。トリチウムの場合はインデックスの「6」の下のミニッツスケールのところに“T SWISS-T<25”と表示され98年頃まで採用された。その後に放射性物質を含まない夜光塗料であるルミノーバに変更され、表示も “SWISS”。さらに99年頃からは発光力の高いスーパールミノバに変更されたため生産終了間際の個体は “SWISS MADE”に変更された。

そして、トリチウムだと80万円台後半から100万円前後と後継機のRef.114270よりも若干高め。それ以外だと最終品番(P番)を除いては80万円前後からといったところだろうか。ちなみになぜトリチウムが人気なのかというと、紫外線や湿度の影響による経年変化で変色を起こすため、アンティークウオッチのような焼けた風合いが楽しめるとあって時計好きの間で人気となっているからである。


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